投信2本、ETF4本。元本が半分になった僕が、散らかった投資の持ち物を仕分けた話
前回の「配当は止まり、下落は直角。毎月配当の投資信託とレバレッジETFで元本が半分になった話」の続きです。
損切りが終わって、口座には静けさが戻りました。
戻ってきて、初めて気づきます。僕の証券口座は、とんでもなく散らかっていました。
今回は、増やした話ではありません。投資信託を2本、ETFを4本まで減らした、持ち物の仕分けの話です。
損切りのあとに残っていたのは、意味不明な一覧だった
腰を据えて、口座の中身を上から見ていきました。
投資信託、ETF(複数の銘柄をまとめて買える上場投資信託)、外国株、国内の個別株。買った順に、ただ積み上がっているだけの一覧でした。
ひとつずつ「なぜ持っているのか」と聞かれて、答えられるものはほとんどありません。
誰かが良いと言ったから買った。名前を見たことがあったから買った。何を買っても上がっていた頃の買い方が、そのまま残骸として並んでいます。
自分の資産がいくらなのか、ぱっと言えませんでした。
仕分けの基準は「自分の言葉で説明できるか」だけにした
減らすと決めたところで、次の問題が出てきます。何を物差しにするのか。
利回りの高い順に並べる案が、最初に浮かびました。やめました。数字で選ぶと、また「良さそうに見えるほう」に手が伸びる気がしたからです。
「これ、いま全部説明できるか」
答えは、はっきりノーでした。
基準は1つに決めます。自分の言葉で説明できないものは、手元に置かない。
金を買ったときの回で、僕は「勝った理由を必ず言葉にする」と書いていました。書いた本人が、やっていなかったわけです。今度は買う場面ではなく、すでにある持ち物のほうから始めました。
投資信託は、オルカンとS&P500の2本に落とした
いちばん数が多かったのが、投資信託でした。
残したのは2本。オルカン(全世界の株にまとめて投資できる投資信託の愛称)と、S&P500(アメリカの代表的な企業500社の株価に連動する指数)に連動するものだけです。
理由は単純でした。この2本なら、何に投資しているかを一言で言えます。「世界全体」と「アメリカの主力500社」。それだけ。
残りは、説明の途中で詰まりました。詰まったものから外していきます。
毎月分配型は、1本も残していません。あの仕組みは前回で懲りました。
外国株は、名前を知っているだけのものから外した
外国株にも、同じ物差しを当てました。
本で見かけた。有名な会社だった。動機は、そのレベルです。事業の中身も、なぜその値段なのかも、僕は説明できませんでした。
有名な会社を持っていること自体を、判断だと思い込んでいたんです。
ここは迷いが少なかったです。説明できないものを残す理由が、どこにもありませんでした。
ETFは、VYM・SPYD・VOO・HDVの4本に集約した
いちばん時間をかけたのが、ETFでした。
残したのは、この4本です。
| 残したETF | どういうものか | 僕が言えるようにした一言 |
|---|---|---|
| VYM | 米国の高配当株に広く分散するETF | 配当をもらいながら、米国全体に薄く乗る枠 |
| HDV | 米国の高配当株を財務の面から絞ったETF | VYMより銘柄を絞った側の受け皿 |
| SPYD | S&P500の中から配当利回りの高い銘柄を集めたETF | 配当寄りの色を、もう一段強くする枠 |
| VOO | S&P500に連動するETF | 配当ではなく、指数そのものを持つ枠 |
右の列は、当時の僕がノートに書いた言葉です。うまくもないし、正解でもない。それでも、詰まらずに最後まで書けたのは、この4本だけでした。
高配当が3本並んでいるのは、単純に僕が配当好きだからです。ここは好みで、理屈ではありません。
気づいたら、単元未満株が100銘柄近くになっていた
残ったのは、国内の個別株でした。
単元未満株(100株単位ではなく、1株から買える仕組み)で、少しずつ買い集めていたものです。1株なら数千円で買える。その気軽さで、気になった会社をぽちぽち押していました。
一覧を下までスクロールして、白目を剥きました。
100銘柄近くあったんです。
1銘柄あたりの金額は、小さい。それでも数が100近くまで増えると、全体で何にいくら乗っているのかが、まるで見えません。分散しているのか、ただ散らかっているのか。その判断すらつきませんでした。
どうしていいかわからないものは、触らないことにした
ここで、僕は手を止めます。
100銘柄を1つずつ調べて、残すか売るかを決める。やろうとして、すぐ無理だと悟りました。当時の僕に、その体力も知識もありません。
適当に売れば、「なんとなく」の判断がまた1つ増えるだけです。整理という名前で、同じ失敗をやり直すところでした。
「わからないなら、今日は触らない」
そう決めて、単元未満株はまるごと据え置きにしました。
判断を先送りしただけ、と言われればそのとおりです。それでも、わからないまま動かすよりはましだと思いました。個別株に手をつけるのは、ここから数年後になります。
僕がやった順番は、この3つだけです
並べてみると、たいしたことはしていません。
- 全部を1つの画面に書き出す:投信もETFも外国株も個別株も、種類で分けずに一列にする。数えるまで、僕は自分の持ち物の数すら知りませんでした
- 1つずつ「説明できるか」で○×をつける:値段も利回りも見ません。言葉にできたら○、詰まったら×。それだけです
- ×から減らし、迷ったものは動かさない:×を手放していく。○でも×でもない山は、残したまま次に回す
3つ目が、いちばん効きました。全部を今日きれいにしようとすると、たいてい雑になります。
整理する前と、整理したあと
変わったところを並べます。
| 整理する前 | 整理したあと | |
|---|---|---|
| 投資信託 | 何本あるか数えていない | オルカンとS&P500の2本 |
| ETF | 買い足した分だけ、ばらばら | VYM・SPYD・VOO・HDVの4本 |
| 外国株 | 名前で買ったものが混在 | 整理して手放した |
| 国内の個別株 | 単元未満株が100銘柄近く | そのまま据え置き(判断を保留) |
| 資産の見え方 | 合計すら言えない | 何がどこにあるか言える |
いちばん下の行が、この回でいちばん動いた場所です。
金額が増えたわけではありません。整理の過程で確定した損も、もちろんあります。それでも、口座を開いたときの気持ちは前とまるで別物になりました。
僕がこうしておけばよかったこと
- 買う前に、一言で説明する練習をする:持ち物の整理は、要するに買うときサボった宿題です。買う瞬間に1行書いていれば、この作業自体が要りませんでした
- 「気軽に買える」は、あとで効いてくると知っておく:1株数千円の気軽さが、100銘柄近くの迷子を作りました。1回あたりの安さより、増える速さのほうが問題だったんです
- わからないものは、わからないまま置いておく:無理に決着させると、整理のつもりで新しい失敗を作ります。保留は、負けではありませんでした
- 持つ本数の上限を、先に決めておく:何本までと決めていれば、そもそも散らからずに済んだはずです
上の3つは、全部「先に言葉にしておく」の言い換えでした。
減らしたら、やっと自分の資産が見えた
元本の半分は、戻ってきません。
それでも、この整理をした日から投資の景色が変わりました。口座を開いて、上から順に「これは何で、なぜ持っているか」を言える。当たり前のことですが、僕には初めての状態でした。
増やす話をする前に、まず数える。散らかったところからでも、そこからならやり直せます。
僕は元本を半分にしてから、やっと数えました。順番としては最悪です。それでも、数えたこと自体はいまも効いています。
次回は、株主優待の魅力にはまって、外食系の株を集めていった話を書きます。